第29回ラベルコンテスト規定課題
平圧部門・輪転部門をライブ印刷
2019年(平成31年)3月9日(土)於:岩崎鉄工㈱
シール印刷大阪府協同組合(湯浅良昌理事長)と京都シール印刷工業協同組合(大槻裕樹理事長)とは3月9日、大阪府東大阪市水走の岩崎鉄工㈱で「第2回技術研修会」を合同開催。組合員ら100人が参加し、技術の研さん、情報交換に努めた。
勉強会は、全日本シール印刷協同組合連合会(JFLP・田中祐会長)が主催する「第29回シールラベルコンテスト」の規定課題のデザインが開催前日に決定されたことを受け、いち早く印刷して参加者へ披露するという趣旨で行われたもの。冒頭、京都協組の大槻理事長はあいさつに立ち「今回の規定課題は一般公募を行い、学生がデザインしたものを採用した」と新規性を紹介。続いて、JFLPの田中会長が昨年11月に参加した「ラベルエキスポインド2018」の出来事に触れ「世界各国のラベル業界団体と意見交換した際、日本の取り組みとして、本日のような技術研修会について説明したところ、同業同士が集まってノウハウを共有する取り組みは珍しいと言われた」と話し、日本の技術力を底上げする同会の意義を強調した。
印刷を行う講師は、㈱丸紀印刷の金光雅志氏が担当。規定課題「平圧」のターゲット見本をオフセット間欠機「AQUA MINI」で印刷した。デザインに用いられている濃草、赤、クリームを重ねる順番、見当を合わせるポイントなどコンテストに役立つ情報を説明しながら、オフセット印刷機の扱い方についても言及。「地汚れは湿し水の不足が原因」「温度の変化はインキツボをいじるくらい仕上がり品質に影響を与える」と解説した。
続いて、㈱京都シールレーベルの蓮葉幹夫氏が凸版間欠機「fusion」を操作して規定課題「輪転」を印刷。印刷機自体の性能の高さ、高品質な版によって、一定水準の印刷物は比較的容易に刷れるとしながら「色をどこまでターゲット見本に近づけられるか」とオペレーターの目による追い込みが重要と述べた。
講評は、㈲西野シールの西野恒雄氏が担当。「今回は学生がデザインした課題であり、プロが作るような落とし穴があったり、トラップがしかけられていたりすることもない。どれだけ上手に刷れるか、純粋にオペレーターの腕が試される課題だ」と激励した。
閉会の辞は大阪協組の湯浅理事長が務め、参加者や講師、会場と印刷機を提供した岩崎鉄工へ謝辞を述べた後「明日からの仕事にひとつでもプラスになることを持ち帰ってもらえれば。より見やすく、分かりやすい体制を考えて、今後も技術研修会を運営していく」と話した。
なお、開催にあたって資機材は協賛会企業から提供され、基材はリンテック㈱と丸昌化学工業㈱、版は㈱和光が担当した。
また、世界初フレキソ間欠式輪転ラベル印刷機「IF330」の実機稼働を行い参加者らは熱心に見学していた。
なお、同社は休業日に当たり特別出勤体制を組み勉強会に協力していただいた。